日本語・日本文化を紹介してみよう

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ずっと暮らしているとその文化や言語が当たり前になり、特徴や面白さが見えなくなることがあります。今回はそんな日本語・日本文化を海外からの目線で再度確認してみましょう。
英語で説明するとその本当の意味が見えてきたりもします。

「外から見た日本語」を理解しておくと、日本語学習者にもっと寄り添うこともできますし、自身が他言語を学習するときに無意識にかけてしまう日本語という色眼鏡をはずすきっかけにもなります。

1. 日本語について知ろう!

日本語を話す人口のほとんどは日本人ですが、日本語を学習する外国人の数は着実に増えています。
オリンピックに向けて基本的な日本語フレーズを覚えたり、日本語を本格的にはじめた外国人や出場選手もいるかもしれません。
日本語は3文字(ひらがな、カタカナ、漢字)を使って表記することや、尊敬語や謙譲語があるため、難しいという印象を持たれがちですが、日常会話の話し言葉においてはさほど難しくないとも言われています。

理由として、

英語のように時制が細かくない

「食べる」という動詞は「明日」でも「今」でも「普段」でも使えますが、
英語の場合 eat /is eating /will / will be eating / will have eaten/ と時制がさまざまに変化します。

動詞の活用がシンプル

主語が誰であろうと日本語の場合は「食べる」という動詞は変化しません。
英語の場合、he/she/itの時にeatsと変化します。
これがイタリア語のような多くのヨーロッパ言語となると主語によって動詞は6種類全て変化します。

単数・複数をはっきりさせない

「ケーキ食べますか?」も英語だとDo you want some cake/some cakes/ a cake/ a piece of cake の様に、ホールケーキ一つなのか、ホールケーキ複数なのか、スライスしたケーキ単数なのか複数なのかをはっきりさせます。

冠詞が存在しない

I like cats (猫が好き)I like a cat (好きな猫がいる)I like the cat (その猫が好き)の様に、冠詞によって名詞を特定するかしないかをはっきりとすることができるのが英語や他の多くの言語です。
こういった日本語の特徴をみてみると「日本人が他言語を学習するときに苦手とする部分」と共通していることがわかります。

2.日本人のジャスチャー

そんなことないです。Shake a hand with the palm facing the other person. (相手に手の平を向けて振る)
これは日本人らしいジャスチャーでもあり褒められたときの反応です。
英語では褒められたらThank youと返答するのが礼儀です。
謙遜は「ほめた相手を否定する」ことにもなりますから注意です。

わたし。Point your index finger at the tip of your nose.(人差し指を鼻にむける)
外国人に「日本人のよくやるジェスチャーは?」ときいて高確率でかえってくる答えです。
英語圏では手を胸にあてます。

いただきます・ごちそうさま。Place both palms together.(両手をあわせる)
以前別の記事にも書きましたが、「いただきます・ごちそうさま」というフレーズは英語やその他多くの言語には存在しません。この両手をあわせるジェスチャーは日本の日常挨拶ではしないのですが、するものだと勘違いしている人もいるので教えてあげましょう。

すみません、ちょっと通ります。Lower your head, hunch your shoulders, and raise your hand perpendicular to your body until it is about the same height as your head.
(腰を曲げて、親指を上にした手を上下させる)

This gesture is known as ‘polite sharking’ by some foreigners living in Japan. This is because the raising of the hand resembles a shark’s dorsal fin.
(このジェスチャーは日本に住む外国人には、polite sharkingとして知られています。というのも、このジェスチャーで挙げている手がサメの背びれの様だからです。)
日本にいると、声をかける前、もしくは同時にこのジェスチャーで通る人もみかけますが、英語では必ずExcuse meと声をかけ、相手が気付いてから通りましょう。
国や文化によって言葉が違うようにジェスチャーも様々です。
普段使っているジェスチャーを一度意識してみてください。
英語圏ではそのジェスチャーをどう表現するのか調べたり、尋ねたりしても面白いですよ。

3.日本人の挨拶

Good morning/Hello/Good evening/Good nightのような時間とともに変わる挨拶はどの国でもほぼ共通していますが、状況にあわせた挨拶は様々に異なります。
例えば「Have a good day /良い一日を!」を日本では多用しませんが、「よろしくお願いします」など他の言語に直訳できないフレーズも存在しています。

よろしくお願いします。
はじめて会った相手に言う「よろしく」と何か頼み事をするときの「よろしく」があります。英語ではNice to meet you.とThank you.という表現が一般的です。
「よろしく、は英語で〇〇というフレーズである」、という伝え方ではなく、どんな状況で「よろしく」を言うのかを説明してあげましょう。

どうも。
こちらも英語にすると、Excuse me / Thank you / Hi. など状況によって様々に意味をもつフレーズのひとつです。

いただきます・ごちそうさま。
「ジェスチャー」でも紹介しましたが、日本特有のフレーズです。
食前・食後以外にも、レストランを出るとき、英語ではThank you.といいますが、日本ではお店の人が「ありがとう」を言います。ここではお客さんは「ごちそうさま」というフレーズを使います。

4.日本の行事

2020年の東京オリンピックは7月24日の開会式から8月9日までを予定しています。
夏~秋頃の日本の行事をみてみましょう。

七夕 (The Star Festival )
オリンピック開会より少し前の行事ですが、早めにやってくる観光客もいるかもしれません。
夏休みを長くとる国は多くありますし、混雑を避けて先に観光を、と考えているひともいるでしょう。
よく公共の場でも笹が飾ってあり、願い事を書く短冊が置かれているのを見かけますね。

According to legend the Milky way separated a pair of lovers who can meet only once a year on July 7th.
(伝説上、天の川で分け隔てられてしまった恋人が一年に一回会えるのが7月7日である。)
You write your wish on a strip of paper and hang it on a bamboo branch.
(願い事を短冊に書いて、笹の枝につるします。)

お盆 (Bon Festival )
It’s one of the family reunion holidays in summer. People visit their ancestor’s graves.
(家族で集まる行事の一つ。先祖の墓参りをします。)

盆踊り (Bon Dance)
あちこちで盆踊りが開かれる時期です。いつもの盆踊り会場には観光客が多くみられるかもしれません。
Traditionally, people wear yukata (casual kimono)and go to a park in the neighborhood and enjoy dancing, chatting or eating festival foods sold by outdoor vendors.
(浴衣を着て近所の公園に行き、盆踊りやおしゃべりや屋台の食事を楽しみます。)

日本の文化を紹介するときは、見える文化(服装やスポーツなど)以外にも、私たちが普段無意識に従っている社会規範に基づいた行動やジェスチャー、日本語なども紹介してあげてください。また、母国語にも興味をもつと外国語の特徴がはっきりみえますし、逆もまた然りです。オリンピックというイベントをきっかけに、多文化交流を通して多文化理解も深めていけたら良いですね。

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